Nature ハイライト 細胞:代謝の定量 2012年1月26日 Nature 481, 7382 多重同位体画像化質量分析(multi-isotope imaging mass spectrometry: MIMS)は、動物やヒトのDNA複製、脂質やタンパク質の代謝回転、細胞運命などの研究に広く応用可能な新しい手法である。原理証明実験として、MIMSを使って「不死鎖仮説(immortal strand hypothesis)」の検証が行われた。この仮説では、幹細胞はがんの原因となる変異が起こりにくい「鋳型DNAの原本」を受け継ぐとされる。しかし、これについてはいまだに激しい議論が続いており、その一因になっているのが実験による検証の難しさである。今回、哺乳類の腸細胞の分裂、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の脂質代謝、ヒトのリンパ球産生について、MIMSを用いた安定同位体の取り込みの観察と測定が行われた。 2012年1月26日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞の住環境の詳細な解析 構造生物学:神経伝達物質チャネルの内向きと外向きの構造 宇宙:「2個の太陽」は天の川銀河ではありふれている 宇宙:実験室で作られる宇宙磁場 物理:高エネルギー原子X線レーザー 化学:自己集合の柔軟性 脳:脳内での神経情報処理 細胞:代謝の定量 細胞:アクチンには居残る力がある 目次へ戻る