Nature ハイライト

Cover Story:そそられる複合体:Gタンパク質共役受容体が膜で作るシグナル伝達複合体の構造

Nature 477, 7366

Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、ホルモンや神経伝達物質、また視覚や嗅覚、味覚といった感覚への細胞応答の多くを仲介している。このため、GPCRは、ヒト体内の薬剤標的のうち、おそらく最も重要なグループとなっている。GPCRは膜を7回貫通していて、細胞膜にしっかり埋め込まれているため、最近のNews Feature(go.nature.com/ftQNX4)で詳しく説明されているように、これらが作る複合体の構造決定は特に難しい。GPCR膜貫通型シグナル伝達複合体の待望のX線結晶構造が、今回B Kobilkaのグループにより決定され、その最終結果が今週号に掲載されている。明らかにされたのは、アデニル酸シクラーゼ刺激性Gタンパク質のGsと複合体を形成したβ2アドレナリン受容体の、アゴニストが結合した単量体の構造である。同じグループのもう1つの論文では、ペプチドアミド水素/重水素交換質量分析法を用いてこのシグナル伝達複合体のタンパク質動態を調べた結果が報告されている。(Article p.549, Letter p.611, N&V p.540)

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