Nature ハイライト

生理:SUMO1の量と心不全とのつながり

Nature 477, 7366

SERCA2aは、興奮収縮連関の際にカルシウム再取り込みを担うATPアーゼである。心不全ではSERCA2aの量および活性が低下することから、心不全に陥った心臓にSERCA2aを送達する遺伝子治療の臨床試験が進行中である。R Hajjarたちは、SERCA2aの安定性および活性維持にはSUMO(small ubiquitin-related modifier)タンパク質の結合が不可欠であり、心不全を起こした心臓ではSUMO1の量が低下していることを明らかにしている。さらに心不全のモデルマウスを用いた実験から、SUMO1の遺伝子送達がSERCA2aの遺伝子送達と同じ程度に心機能を回復させることがわかり、SUMO1が心不全の治療法候補であることが示された。

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