Nature ハイライト

工学:ダイヤモンドに裏打ちされたグラフェントランジスター

Nature 472, 7341

グラフェンは、原子1個の厚さのシート状炭素で、高周波マイクロエレクトロニクス素子での利用が期待されている。今回、IBMトーマス・J・ワトソン研究センター(米国)のチームが、グラフェン半導体素子用の基板としてダイヤモンド状炭素が特に適していることを見いだした。ダイヤモンド状炭素は、半導体産業ではすでによく知られている。グラフェンを、化学蒸着(CVD)により銅膜基板上に成長させ、次にこのダイヤモンド状炭素ウエハーへ転写し、これを使ってゲート長40 nmのとき遮断周波数が155 GHzの高性能グラフェントランジスターが作製された。このゲート長は、これまで報告された中で最も短い。この系はCVDグラフェントランジスターとして、これまでで最高の動作速度を達成したばかりでなく、今までグラフェン材料上で実証された正常に動作するトランジスターとして最小である。

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