Nature ハイライト

宇宙:はるか遠くの宇宙の構造

Nature 466, 7305

宇宙の暗黒エネルギーは、宇宙膨張が加速していることを説明するために仮定された力で、このエネルギーが過去に及ぼした影響を調べるには、極めて遠方の構造についてもっと知る必要がある。中性水素の21 cm電波輝線は、この目的に役立つだろうと考えられている。21 cm線は現在まで、赤方偏移がz = 0.24までの銀河内でしか検出されていない。これより遠くなると、銀河は個々に検出するには暗くなり過ぎるが、解像されない多くの電波源からの放射の合計を測定することは可能である。今回Changたちは、米国ウェストヴァージニア州のグリーンバンク望遠鏡を使って、赤方偏移0.53〜1.12の21 cm線の三次元強度マップを作製した。このデータセットに、DEEP2可視銀河赤方偏移サーベイによる、約1万個の銀河を取り巻く体積からのHI輝線のデータを加えて、4σで統計的に有意な21 cm線の集合的グローの詳しい考察が得られた。

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