Nature ハイライト

進化:鰭から四肢への移行

Nature 466, 7303

四肢動物の四肢の進化における重要な一歩は、魚類の鰭にみられる鰭条と鰭褶の特徴的な周辺領域の消失だった。M-A Akimenkoたちは今回、これらの特徴に必須の構造成分として、ゼブラフィッシュで2つの新規のタンパク質アクチノジン(actinodin) 1と2を同定した。actinodin遺伝子群は、複数の硬骨魚やゾウギンザメなどほかの魚類でも見つかっているが、四肢動物には存在しない。ゼブラフィッシュでactinodinの機能を実験的に消失させると、アクチノトリキア(actinotrichia)とよばれる原繊維が消失し、四肢動物の肢芽の特徴をもった胸鰭原基が形成される。これらのデータは、進化の過程で起こった鰭から四肢への形態変化を、アクチノトリキア原繊維の消失によって部分的に説明できる可能性を示唆している。

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