Nature ハイライト

宇宙：レーダーで見た火星

2010年5月27日 Nature 465, 7297

火星の北極冠は、この惑星全体を深さ数メートルの水で覆うのに十分な量の水を含んでおり、非常に目立つ2つの大きな地形的特徴を備えている。それらは、巨大なボレアレ峡谷と渦巻き状の一連の地溝で、形成された過程はまだはっきりしていない。今回、これら2つの地形の詳細な歴史について、マーズ・リコネサンス・オービターのレーダー測深機から得られたデータに基づいて検討した2つの論文が発表された。J Holtたちは、ボレアレ峡谷は、破壊的な事象ではなく堆積過程によって形成されたことを示している。もう1つの論文でI SmithとJ Holtは、中心の地溝の形成原因は極氷の浸食による切り込みではなく、こちらもおおむね堆積過程によって形成され、過去200万年間に極域方向に移動し上昇したと結論している。