Nature ハイライト

遺伝:公表された大規模なCNVデータセット

Nature 464, 7289

コピー数多型(CNV)は、個体間に広くみられる遺伝的変動であり、遺伝または新規のゲノム再編成によって生じる。オリゴヌクレオチドタイリングマイクロアレイとHapMapサンプルを使う大規模な共同研究により、ヒトゲノムの11,700のCNVについて作業マップが作製された。その約半数については、ヨーロッパ系、アフリカ系、東アジア系という異なる祖先をもつ個体で遺伝子型が決定された。疾患感受性に影響を及ぼす可能性のあるCNVを有する30個の遺伝子座も明らかになった。昨年10月に本誌電子版に発表されたこの膨大なデータセットは、完全性と空間分解能の点で画期的であり、News & Views(go.nature.com/bUcVH3)でJ Armourが述べているように、今後何年間にもわたって最も信頼性のあるリソースとなりそうだ(Article p.704)。ウェルカムトラスト・ケースコントロールコンソーシアムの作製によるこのリソースは、共通するCNVとヒトの8種の疾患との間の関連についての新たな全ゲノム関連解析の中心である。ウェルカムトラストが行ったこの研究は、これからの研究プロジェクトに豊富な技術的考察を提供すると共に、既存のプラットフォームを用いて遺伝子型決定が可能な一般的なCNVは、一般的な疾患の遺伝的基盤に大きな役割を果たしてはいないらしいことも示している(Article p.713)。

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