Nature ハイライト

細胞:強い光による損傷を防ぐ

Nature 462, 7272

藻類と植物は光合成のために光を必要とするが、過剰な光は有害となることがあり、酸化的損傷を引き起こして細胞死に至る場合さえある。そこで光合成では、光化学系IIのクロロフィル分子のフィードバック調節された脱励起を介して集光過程をすばやく調節し、安全弁としている。真核藻類でのこの防御系の仕組みは、ほとんど解明されていない。LHCSRは、集光性タンパク質複合体スーパーファミリーに属する古いタンパク質で、維管束植物にはみられない。LHCSRをコードする3種類の遺伝子のうち2種類をもたない単細胞藻類コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)変異体を用いた研究で、このタンパク質が光強度の変動が大きい条件下での生存に必要とされることが明らかになった。このことから、植物と藻類は、光合成機構を損傷から守るのにそれぞれ異なったタンパク質を用いていることがわかる。

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