Nature ハイライト

細胞:塩の味

Nature 464, 7286

哺乳動物は高濃度の塩は嫌がる傾向があるが、低濃度のナトリウムには引き寄せられる。マウスでは、低濃度の塩に引きつけられる行動はイオンチャネル阻害物質のアミロライドによって遮断できる。今回、味覚受容ニューロンでアミロライドの標的であるナトリウムチャネルのENaCを遺伝子操作により失わせたマウスでは、塩の感知とナトリウムへの味覚応答の両方が失われていることがわかった。したがって、塩の感知は、甘味、酸味、苦味、うま味というほかの4つの味覚と同じく、専用の味覚受容細胞によって行われていることになる。だが、霊長類でのナトリウム感知はアミロライドの影響を受けないため、今回の結果が、我々人間の塩味を感知する能力とどのように関係するのかはまだわからない。

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