Nature ハイライト

Cover Story:幹細胞研究の進展

Nature 460, 7251

今週号は、幹細胞研究を大々的に特集している。損傷を受けた心臓組織の修復に幹細胞が使える可能性については、これまで多くの研究が発表されている。113ページでは、ヒト胎児心臓由来の心血管前駆細胞集団に、心臓にある主な型の細胞すべてを作る能力があることが報告されている。この成果は、Newsでも取り上げられている(p.18)。表紙は再生細胞の層で覆われた心臓で、この研究では、チモシンβ4が前駆細胞を心臓の外層から組織修復部位へと誘導することが明らかにされた(Nature 2007年1月11日号pp.177〜182)。Reviewでは、「iPS細胞」を開発した山中伸弥が、自身の研究室でその後の3年間に得られた最新の成果を紹介している(p.49)。そのほかにも、ファンコニ貧血細胞の正常化(Article p.53)、アホロートルの外肢の再生に多能性状態への完全な脱分化は必要ないこと(Article p.60, N&V p.39)、Wntシグナル伝達とテロメラーゼとの結びつき(Article p.66, N&V p.44)、多能性因子の階層構造の解明(Letter p.118)、多能性とX染色体不活性化の間のつながり(Letter p.128)などが報告されている。Nature jobsも幹細胞研究関連である(p.136)。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度