Nature ハイライト

細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53

Nature 458, 7242

腫瘍抑制因子p53は、ヒトのあらゆるがんの約半数で変異により不活性化されており、それ以外のがんの多くでも、p53経路が何らかの形で阻害されている。p53がよく研究されていることは当然だが、それは主として転写因子、遺伝子調節因子としてである。今回D GreenとG Kroemerは、p53が細胞質で果たす役割という、p53研究の新しい分野について概説している。p53は、細胞質ではアポトーシスを誘導し、オートファジーを阻害する。このような核外での作用は最近まで知られていなかったが、p53の腫瘍抑制因子としての有効性を増すのに役立っており、p53系を調節する新しい標的になる可能性がある。

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