Nature ハイライト

細胞:ウイルスのプロキャプシドの構造

Nature 458, 7238

ラムダ様二本鎖(ds)DNAバクテリオファージHK97は、ウイルスのキャプシドの成熟を研究するのに適した系である。それは、大腸菌でわずか2種類のウイルス遺伝子産物を発現させるだけでファージが形成され、in vitroで簡単に成熟を誘発して解析を行えるからである。これまでにさまざまな成熟ウイルスキャプシドの構造が決定されているが、二本鎖DNAウイルスあるいはバクテリオファージのプロキャプシドの構造は、解明されていなかった。今回Gertsmanたちが、HK97のプロキャプシドの構造を高分解能で調べた結果を報告し、感染性をもったウイルス粒子の形成につながるキャプシド集合過程についての手かがりが得られた。この構造から得られた知見は、ヒトヘルペスウイルスなどのような、HK97に似たウイルスにも当てはまるかもしれない。

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