Nature ハイライト

材料:高速充放電が可能な電池

Nature 458, 7235

電池は、エネルギー密度は高いが充放電速度は遅く、高速放電スーパーキャパシターは、その逆であると考えられている。今回B KangとG Cederは、この仮説に対する反証となりそうなリチウムイオン電池を開発した。すなわち、速く放電し、通常のリチウムオン電池より2桁高い、スーパーキャパシターと同程度のパワー密度を維持する電池である。この性能は、電池に広く使用されている材料、LiFePO4を改良することで達成された。出発物質は、既にかなり良好な放電速度を実現しているナノサイズのLiFePO4である。次に、これを、Fe、P、Oがやや少ない同様の化合物でコーティングする。加熱により、コーティング層はガラス質の表面層となり、リチウムイオンの移動度が高くなる。この技術で作られた電池の性能は、電気化学的エネルギー貯蔵への新しい用途につながるかもしれない。

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