Nature ハイライト

免疫:ウイルスと自然免疫のバトル

Nature 457, 7228

天然痘などのポックスウイルスは、K3Lと呼ばれるタンパク質を産生することで、宿主の防御をくぐり抜けて侵入する。K3Lは、脊椎動物の自然免疫系の重要な構成成分であるプロテインキナーゼR(PKR)の基質にそっくりなタンパク質である。Eldeたちは、霊長類で正の選択が非常に強く働く劇的な状況下でPKRが進化を遂げ、K3LとPKRが相互作用する部位のアミノ酸が置換されたことを示している。この進化上の変化は、宿主が擬態者に打ち勝つ機会を増やしており、こうした分子レベルの「軍拡競争」への参戦者の両方が、互いに相手の裏をかき、相手をしのぐように進化しようとする様子をよく示している。

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