Nature ハイライト 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 2009年1月22日 Nature 457, 7228 ホモマーである環状ATPアーゼはあらゆる種類の生物で見つかっていて、染色体分離、タンパク質のアンフォールディング、ATP合成など多くの過程にかかわっている。こうした著しく多様な機能は、ATPの結合と加水分解を行う、1個の高度に保存されたコア構造から生じる。この酵素がATP加水分解と力学的機能をどのように結びつけているのかは、ほとんど解明されていない。バクテリオファージΦ29がもつこのような環状ATPアーゼの1つは、二本鎖DNAゲノムをウイルスの外殻に詰め込むのにかかわっている。Moffittたちは、この5つのサブユニットからなるモーターがDNAを一度に10塩基対(bp)ずつたたみ込むことと、その10 bpは2.5 bpずつの4ステップに分けられて処理され、その各ステップがATP 1分子の加水分解と相関して起こることを明らかにした。ステップ中の塩基数がこのように整数でない例はこれまで見つかっておらず、環でのATP加水分解やDNAと環の相互作用の機構について、興味がそそられる。 2009年1月22日号の Nature ハイライト 気候:季節の調整 構造生物学:GアクチンからFアクチンへ 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 宇宙:初期宇宙でどんどん進んだ星形成 光学:理想的なQ値 海洋:海でのフェリチンの役割 生理:やっと見つかった性 医学:脳は先回りして考える 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 目次へ戻る