Nature ハイライト

遺伝:変異のホットスポット

Nature 455, 7209

最近のゲノム研究によって、多くの生物種でDNAのかなりの部分に個体差があることと、この個体差が変異のホットスポット(多発域)に集中していることが明らかになっている。酵母、イネ、ショウジョウバエ、げっ歯類、霊長類に属する10種類のゲノムを用いて、2つのゲノムの比較を、組み合わせを変えて6通り行って挿入や欠失(インデル)周辺の一塩基置換の分布を調べたところ、6組すべてにおいて、遺伝的変異の程度とインデルからの距離との間に強い負の相関がみられることがわかった。その上、インデルの大きさや数が、局所的な塩基の多様性の程度に大きく影響することもわかった。この研究は、インデルは変異誘発の一般機構の1つであり、ゲノムの進化に重要な役割を果たしている可能性を示唆している。

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