Nature ハイライト

遺伝:DNAメチル化の地図

Nature 454, 7205

DNAのメチル化は、単一のDNA配列から異なる遺伝子発現パターンを生み出す重要なエピジェネティック修飾機構で、正常な発生に必須であり、その機能不全はがんやその他の異常の原因となることがある。今回、単一分子ベースの塩基配列解読法と組み合わせたハイスループットの重亜硫酸ナトリウムを使うゲノム解読法を用いて、胚性幹細胞やそれに由来するさまざまな種類の細胞におけるDNAメチル化地図が、ヌクレオチドレベルの分解能で作製された。この地図によって、例えば胚性幹細胞が成熟して神経細胞になる場合など、細胞の分化につれてメチル化が変化する特異的なゲノム部位が明らかになる。もっと一般的には、この方法は発生生物学やがん研究、再生医学に関係する細胞集団のエピジェネティックなプロファイリングを行う上で有用となるだろう。

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