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進化:被子植物の陰で繁栄するシダ類

Nature 428, 6982

シダ類には1万を超える現生種があり、陸上植物の中では2番目に多い。およそ1億2,500万年前に顕花植物が上陸する以前には、現在より多くの種類のシダ類が陸上で栄えていたとする見方が一般的である。しかし今回、シダ類の種数が増えたのは実際専門家たちが思っていたよりもずっと最近のことだと発表された。 報告したK M Pryerたちによると、現在25万〜30万種にもなる顕花植物種の爆発的増加がシダ類を「進化の袋小路」に追いやったとする説は、今回の研究成果によって否定されるという。彼らは現生のシダ類種から得たDNAと化石記録から得られている証拠を調べて、このような結論を出した。つまり、1億2,500万年〜6,500万前の白亜紀に新しいシダ種が次々と枝分かれして、その時代にシダ類の大部分の種ができたというのだ。 この多様化の過程は、樹木や他の顕花植物の登場によって妨げられたというより、むしろ助けられたのではないかとPryerたちは推測している。顕花植物のおかげで、シダ類にはそれ以前よりも幅広い生息域がもたらされた可能性があるからだ。「明らかに、好機が開けたときシダ類の進化は『再び目覚めた』のだ。進化の袋小路という概念そのものに、ほころびが見つかったといえるかもしれない」とNews and ViewsでT Erikssonは述べる。

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