Nature ハイライト

医学:インフルエンザウイルスは熱帯生まれ

Nature 453, 7195

米国でのインフルエンザワクチン作製用ウイルス株の選択について進行中の議論からはっきりしたのは、インフルエンザウイルスに関する疫学的な解明の必要性である。1,300種を超えるA型インフルエンザウイルス単離株のゲノム配列解読から、このウイルスの進化には、遺伝子の頻繁な再集合と時折生じる強力な選択の組み合わせという特徴がみられることがわかった。疫学的にみると、H3N2型とH1N1型というサブタイプの動態は、おそらく熱帯地方に存在する持続的なインフルエンザ供給源から定期的に抗原変異体が出現し、これが温帯地域の受容集団へと移行するという生態学モデルに従っている。

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