Nature ハイライト

遺伝:多発性硬化症の薬物標的を突き止める

Nature 451, 7182

多発性硬化症(MS)のさまざまな疾患段階の病変部から得られた組織検体の大規模なプロテオーム解析により、異なる疾患段階の脳損傷に特異的に存在するタンパク質が同定され、新たな治療標的が複数見つかった。特にそのうちの2つは、この疾患の慢性進行期損傷のサインを示す。1つは組織因子と呼ばれる血液凝固の開始に関与するものであり、もう1つはプロテインCインヒビターで、抗炎症経路にかかわっている。また、多発性硬化症のモデルマウスに活性化プロテインCまたは抗凝固薬ヒルジンを投与すると疾患の進行が遅くなったことから、凝固カスケードがMSの病因にこれまで知られていなかった役割を担っていると考えられる。

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