Nature ハイライト

細胞:「ディスロコン説」を見限る?

Nature 448, 7152

折りたたみに異常のあるタンパク質やエンベロープのないウイルスは小胞体を通り抜けて細胞質に出ることができるが、これを説明するために、タンパク質チャネルが小胞体の構成成分の1つとして存在するという仮説が考えられている。このような転位チャネル(dislocation channel)または「ディスロコン(dislocon)」で機能すると考えられている種類のタンパク質の一例が、酵母のDer1タンパク質であり、その他の真核生物ではDerlinタンパク質である。しかし、H Ploeghは、この仕事を行うのにタンパク質からなるチャネルを必要としない別の仕組みがあるのではないかと、不定期掲載のHypothesisシリーズで述べている。タンパク質チャネルではなく、脂質の再配列に誘発されてできる「脱出用ハッチ」によって、タンパク質もウイルスも小胞体を通り抜けることができるのだろうというのだ。

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