Nature ハイライト

宇宙:ダストは踊る、火星の上で

Nature 446, 7136

火星表面のアルベド(光の反射率)のパターンは、入射光と反射光の比の局所的な変動に起因するもので、常に変化している。今回、火星の全球循環モデルを使った研究により、これらの変動が実際に気候変動に影響を及ぼしていることがはっきりした。過去30年にわたって、火星表面の広い帯状の地域でダストが吹き払われて消失し、そこが暗く見えるようになっている。気候モデリングによれば、これらの変化は、気温の上昇や風応力の増加、「ダストデビル」(塵旋風)の発生を助長し、ダストの浸食とアルベドとの間に正のフィードバックループが生じる原因となったようだ。こうした条件は、観測されている極冠の浸食と一致し、さらには大規模な砂塵嵐の発生にも影響を及ぼしている可能性がある。

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