Nature ハイライト

物理:丁寧な加速

Nature 444, 7120

従来の粒子加速器は多くの場合、長さが数百メートルになり、そのため、レーザープラズマを使ってもっと短い距離で高エネルギー電子ビームを発生できる新しい加速器に関心が寄せられている。このような小型の加速器は、強力なレーザーパルスによって大きな電場を生成して質の高い電子ビームを発生できるが、実用化に際して必要となる安定性と再現性が得られていなかった。今回、新しい方法によって、放射線治療や材料科学用のラジオグラフィーなどの応用に使用できる、小型で安定性の高い加速器が作製された。これが実現したのは、10年前に考え出されたものの、これまでうまくいっていなかったアイデアを使ったためである。すなわち、最初のレーザーパルスに2番目のレーザーパルスを衝突させることで、電子の注入とその後の加速をよりよく制御できるようになったのだ。

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