Nature ハイライト

生態学:漁業の影響で産卵場所を忘れたニシン

Nature 642, 8069

A Slotteたちは今回、ニシンの個体群としては世界最大とされるノルウェーのタイセイヨウニシン(Clupea harengus)の個体群が、漁業に起因する回遊戦略の選好性の変化の後、産卵場所を極方向へと大きく移動させたことを示している。漁業、調査、標識実験で得られた広範なデータに基づき、より高齢の個体を漁獲対象とする漁業の影響で文化の伝達に必要な記憶の閾値が満たされなくなった結果、新たな回遊が生まれたことが見いだされた。これは、若いコホートが回遊動態を決定したことを意味している。

2025年6月26日号の Nature ハイライト

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