Nature ハイライト

原子核物理学:28Oが初めて観測された

Nature 620, 7976

中性子数/陽子数比が極端に大きい原子核同位体は、原子核構造を支配する物理を理解するための優れたテストベッドとなる。今回、近藤洋介(東京工業大学ほか)たちは、理化学研究所のRIビームファクトリーにおいて、非常に短寿命の共鳴として存在する非束縛酸素同位体28Oと27Oを初めて観測したことを報告している。28Oは、これまで観測された中で最も大きな中性子数/陽子数比を持ち、その20個の中性子と8個の陽子は特に安定な閉殻を形成すると予想されているので、とりわけ興味深い。今回の実験的成果に必要であった多中性子崩壊核分光法(multi-neutron decay spectroscopy)は、それ自体が実験核物理学に新たな機会を開くものである。

2023年8月31日号の Nature ハイライト

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