Nature ハイライト

数理生態学:ドル紙幣の動きを疫学に活かす

Nature 439, 7075

ヒトが地理的にどう分散するかを解明するのに一風変わった手法を使った結果が今週号に報告されている。D Brockmannたちは、米国紙幣の行方を追跡するオンラインシステム(http://www.wheresgeorge.com/ )に記録された、ドル紙幣およそ50万枚のたどった軌跡を解析した。そして、これらの解析に基づき、紙幣の分散(したがってヒトの旅行行動)が、たまに大きなジャンプがある、数多くの小さなランダムステップからなるプロセスによって記述でき、このプロセスには移動と移動の間の長い待ち時間もあるという結論に至った。  これらの知見は、感染症蔓延のモデル化に大いにかかわってきそうである。こうした疾患では、ヒトの旅行の動態特性や統計的特性を正確に把握することが、根本的な重要問題だからだ。今回報告されたヒトの行動パターンを踏まえると、モデル化にあたってはヒトが拡散的に拡がると単純に想定できないことになる。

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