Nature ハイライト

Cover Story:宇宙のフォース:宇宙で起こる磁気リコネクションに より250万キロメートルの粒子加速器が作り出される

Nature 439, 7073

磁気リコネクションは、対になった磁力線が合体して、磁気エネルギーが粒子の運動エネルギーに変換される過程で ある。合体した磁力線で生じたねじれはスリングショット効果を生じ、合体した位置から遠くに向かう高速のプラズ マジェットを加速する。この過程は太陽フレアや地球付近の宇宙嵐へエネルギーを供給して、電力網や電気通信を妨 害する。宇宙物理学の分野では、リコネクションが長距離を越えて発生するのか、あるいはパッチ状に局地的にラン ダムに発生するのかが長らく問題となってきた。2002年2月2日、惑星間宇宙で広く離れた位置にあったクラスター、ACE、ウィンドのすべての探査機が、通過中の同じ電流シート内で、似たようなプラズマジェットを観測した。これは、250万キロメートルにわたる磁気リコネクション領域を示す端的な証拠であり、磁気リコネクションは長時間にわたって非常に大きな規模で発生しうることを確証するものである。表紙は、ねじれた磁力線が一対の粒子ジェットを加速する様子を示す。[Letter p. 175; News andViews p. 144] 表紙画: Matt Davis and Tai Phan(カリフォルニア大学バークレー校)

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