Nature ハイライト

Cover Story:都市で失われるもの:格子状に計画された都市環境は将来の空間ナビゲーション能力の妨げになる

Nature 604, 7904

よりエントロピーの高い都市であるプラハにおける、1000件のランダムな軌跡の重ね合わせ。
よりエントロピーの高い都市であるプラハにおける、1000件のランダムな軌跡の重ね合わせ。 | 拡大する

Credit: Ed Manley

表紙は、米国シカゴの格子状の市街地図と、より雑然としたチェコ共和国プラハのレイアウトを重ね合わせたものである。今回A Coutrotたちは、成育環境が認知のさまざまな側面にどのような影響を及ぼし得るかを明らかにしている。彼らは、この研究のために設計されたビデオゲームを用いて、世界の38か国の約39万7000人の空間ナビゲーション能力を評価した。その結果、都市の外で育った人々のナビゲーション能力が最も優れていることが見いだされた。さらに著者たちは、シカゴなどの街路が規則正しく格子状に計画された都市で育った人々は、育った都市に似た環境のナビゲーションはできたが、プラハのような古都の、より雑然とした市街のナビゲーションはあまりうまくできなかったことも示している。著者たちは、今回の結果はヒトの認知と脳機能における都市設計の重要性を実証していると示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度