Nature ハイライト

言語学:トランスユーラシア諸語の中国起源

Nature 599, 7886

北東アジアにおける言語と農耕と遺伝子の拡散の様子。地図の色分けは祖先集団(赤色:アムール、緑色:黄河、青色:縄文)を、矢印は農耕民の移動(赤色:キビ農耕民、緑色:イネ農耕民)を示す。
北東アジアにおける言語と農耕と遺伝子の拡散の様子。地図の色分けは祖先集団(赤色:アムール、緑色:黄河、青色:縄文)を、矢印は農耕民の移動(赤色:キビ農耕民、緑色:イネ農耕民)を示す。 | 拡大する

Credit: M Robbeets et al.

トランスユーラシア諸語(アルタイ諸語)は極めて古く、東は日本、朝鮮半島、シベリア、西はトルコまで、ユーラシア各地に広がっている。この諸語の起源および拡散に関しては盛んに議論されている。今回M Robbeetsたちは、歴史言語学と古代DNAと考古学を組み合わせることで、トランスユーラシア諸語が、約9000年前の中国東北部・遼河流域の初期のキビ農耕民、そして隣接した現在の極東ロシアのアムール川流域に端を発する遺伝子プールまでさかのぼれることを示している。この諸語はその後、この地域から北のシベリア、西のステップ、東の朝鮮半島や日本へと広がったと見られる。

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