Nature ハイライト

化学:窒素の立体化学の構築

Nature 597, 7874

生物学ではDNAが右巻きであることが重要なのと同様に、化合物の片方のエナンチオマーを選択的に形成する不斉合成は、有機化学の中核である。しかし、数十年にわたる研究によって、炭素と結合する基をエナンチオ選択的に構築できる方法が示されてきたが、窒素立体中心でこれを行うことは、ほとんど探究されていない。今回M Kitchingたちは、アンモニウム化合物のエナンチオ選択的合成について報告している。一般的なキラル配位子であるBINOLの存在下で、可逆的なアルキル化がエナンチオ選択的に起こり、これによってアンモニウムカチオンを合成する方法が得られた。原理実証として、キラルアンモニウムを用いたBINOLのエナンチオ選択的認識が実現された。

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