Nature ハイライト

分子生物学:BRCA1–BARD1のヌクレオソームへの結合

Nature 596, 7872

損傷を受けたDNAの相同組換えによる修復では、早い段階でE3リガーゼのRNF168によってH2A(X)のN末端がユビキチン化される。この修飾の結果、別のE3リガーゼ複合体BRCA1–BARD1が動員されるが、その詳細はこれまで分かっていなかった。今回R ChapmanのグループとG Merのグループが、BRCA1–BARD1複合体が自身のBRCTドメイン中のモチーフ(BUDR)を介して、H2A(X)のK13とK15のモノユビキチン化を認識することを明らかにしたている。BARD1のアンキリンドメインが非メチル化ヒストンH4K20を認識するとともに、この複合体がヌクレオソーム粒子に結合することで高い結合親和性が達成され、BARD1はH2A(X)のC末端をユビキチン化できるようになる。つまり、H2A(X)の一方の領域にあるユビキチンへの結合が、反対側の末端の修飾を促進するのである。

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