Nature ハイライト

Cover Story:共同事業:窒素と酸素と硫黄が結合して、タンパク質の構造に予想外の架橋を作る

Nature 593, 7859

タンパク質の構成単位であるアミノ酸によって、タンパク質の基本的な形態や機能が決まる。しかし、アミノ酸残基の間の架橋によって、タンパク質の形態や機能に影響を及ぼし得る化学的修飾がさらに生じる。最も一般的な架橋は、ジスルフィドと呼ばれる、2個の硫黄原子の結合である。今回K Tittmannたちは、酸素原子によって窒素原子と硫黄原子が連結された、システイン残基とリシン残基の間に形成されるこれまで特定されていなかった結合について報告している(表紙では、窒素が青色、酸素が赤色、硫黄が黄色で描かれている)。彼らは、淋病の原因菌である淋菌(Neisseria gonorrhoeae)において、このN–O–S架橋がトランスアルドラーゼ酵素の活性を制御する酸化還元調節スイッチとして働いていることを見いだした。さらに著者たちは、タンパク質構造データバンク(Protein Data Bank)を調べて、このN–O–S架橋は他の多くのタンパク質ファミリーにも見られる可能性が高いと示唆している。

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