Nature ハイライト

化学:酵素を使ってアミドを作る

Nature 593, 7859

アミド結合形成は、最もよく用いられる化学反応の1つだが、いまだに古典的なカップリング試薬によって行われている。ペプチドやタンパク質を一から構築する際、脱保護段階とカップリング段階が繰り返され、大量の廃棄物が出る。今回J Micklefieldたちは、細菌植物毒素の合成に関与している、コロナファシン酸リガーゼ(CfaL)という酵素ファミリーが、アミド結合形成を触媒することを報告している。これらの酵素は、保護されていないアミノ酸を含むさまざまな基質に対して寛容な特異性を示し、変異の導入によって性能をさらに向上できることが見いだされた。今回の酵素の合成能は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のプロテアーゼ阻害剤などの医薬品有効成分の合成において実証されている。

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