Nature ハイライト

がん:サイクリンD分解の主要な調節因子

Nature 592, 7856

3種類のサイクリンDタンパク質は重要な細胞周期調節因子であり、がんの発生を促進することがある。これらに関係するキナーゼCDK4とCDK6は、抗がん剤の標的となっている。サイクリンDの発現は、主としてタンパク質の分解段階で調節されているが、ユビキチン化を仲介する重要な因子はまだ不明であった。今回3つのグループ(M Pagano たち、J Sageたち、F Cecconiたち)が、AMBRA1がサイクリンD分解の主要な調節因子であり、E3リガーゼであるキュリン4(CRL4)複合体のアダプターとして機能することを報告している。この役割と一致して、AMBRA1が腫瘍抑制因子として働くことが示された。また、神経発生でのAMBRA1の役割とサイクリンDの分解との結び付きが明らかになり、AMBRA1レベルの低さがCDK4/6阻害薬への抵抗性やがん患者の転帰不良と関連していることも示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度