Nature ハイライト

神経科学:ASDマウスモデルの社会的行動の薬理学的な回復

Nature 584, 7820

ニューロリギン3(Nlgn3)をコードする遺伝子の変異は自閉症の遺伝的リスク因子の1つで、これまでの研究により、Nlgn3変異マウスの社会的表現型がヒト自閉症スペクトラム障害(ASD)と関連することが確立されている。今回P Scheiffeleたちは、ASDのマウスモデルでは、ドーパミン作動性ニューロンのオキシトシン応答性が障害され、報酬処理に関連した脳領域でのmRNAの翻訳が変化していることを見いだしている。このマウスに、mRNA翻訳を調節するMAPキナーゼ相互作用キナーゼ(MNK)の阻害剤を投与したところ、これらの表現型が回復したことから、この共通機構が多様な表現型のある自閉症への治療戦略を示す可能性が示唆された。

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