Nature ハイライト

Cover Story:ヒトの情報資源:gnomAD:ヒトゲノムのバリアントのカタログ

Nature 581, 7809

今週号には、gnomAD(Genome Aggregation Database)から得られた詳細な知見について報告した4報の論文が掲載されている。gnomADは、6万706人のエキソームを集約した2016年のExACデータベースの後継となるもので、12万5748のエキソームと1万5708の全ゲノム塩基配列が集められている。このようにサンプルサイズが大きくなり範囲が広がったことで、個人間の一塩基バリアント(SNV)だけでなく、50以上のヌクレオチドでできたより複雑な構造バリアントのカタログの作成も可能になった。中心となる論文では、K Karczewskiたちが、このデータベースを概観し、タンパク質をコードする遺伝子を不活性化し得るバリアントを調べている。第二の論文では、R Collinsたちが、43万3371の構造バリアントのカタログを作成し、生理的特徴に対するその影響を解析している。第三の論文では、B Cummingsたちが、RNA発現データを用いてバリアント解釈の指針が得られることを示している。そして第四の論文では、E Minikelたちが、薬剤の遺伝的標的の特定にgnomADデータがどのように役立つ可能性があるか探っている。

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