Nature ハイライト

ナノスケール材料:ゲルマニウムによる半導体キュービットのスケーリング

Nature 577, 7791

量子コンピューターの基本構成要素は、量子ビット(キュービット)である。キュービットは、さまざまなプラットフォームを使って作製できるが、大きなキュービット数へのスケーリングにはそれぞれに特有の課題がある。シリコンの量子ドットには、古典コンピューターを支えている材料を利用できるという利点があるが、シリコンキュービットの定義、調整、操作を難しくするさまざまな要因があるため、スケーラビリティーが課題として残っている。今回N HendrickxとM Veldhorstたちは、関連材料であるゲルマニウムに目を向け、ひずんだゲルマニウムでキュービットと、単一キュービットゲートおよび2キュービットゲートを実証している。ゲルマニウムは、シリコンの制約を受けないだけでなく、量子論理に利用できる強いスピン–軌道結合もある。今回の研究は、ゲルマニウムが量子計算向けの最もスケーラブルな量子ドットプラットフォームになる可能性を示唆している。

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