Nature ハイライト

がんゲノミクス:スプライソソームのRNA構成要素の変異を示す初めての証拠

Nature 574, 7780

がん細胞では一般に、mRNAのスプライシングが変化していることが知られている。これはスプライシングに関与するタンパク質(スプライソソームと呼ばれる複合体の構成要素)の変異に起因する可能性がある。今回、2つの研究グループが、スプライソソームの構成要素であるU1核内低分子RNA(snRNA)にも変異があることを初めて明らかにした。M Taylorたちは、SHHサブタイプの髄芽腫患者の最高50%で、U1 snRNAの3番目の塩基にA>Gの頻発性変異を見いだしている。一方L Steinたちは、慢性リンパ性白血病において、U1 snRNAの3番目の塩基に頻発するA>Cホットスポット変異を見いだしている。これらのU1 snRNA変異はmRNAスプライシングを変化させる。どちらの研究でも、予備的な実験で、これらの変異が腫瘍発生を促進することが示唆されている。

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