Nature ハイライト

流体力学:非線形マイクロ流体工学

Nature 574, 7780

マイクロ流体システムは、ますます複雑なタスクを実行できるようになっているが、その大半にはまだ外部の流量制御デバイスが必要であり、真に一体化した設計の開発が妨げられている。今回A Motterたちは、加圧力と流量が非線形関係を示すマイクロ流体ネットワークを実現したことを報告している。これによって、入力圧力と出力圧力のみを通して、つまり柔軟な部品や可動部品を必要とせずに、この流体ネットワーク内部の流れの制御が可能になった。このシステムの非線形性から、元々は交通の流れとの関連で研究された「ブライスのパラドックス」と呼ばれる現象に似た流体挙動が現れる。著者たちは、今回の研究結果が、より進歩したプログラム可能なマイクロ流体ネットワークにつながると予想している。

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