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分子生物学:凝集しやすいタンパク質での自身のmRNAを介した集団的恒常性維持

Nature 647, 8090 doi: 10.1038/s41586-025-09568-w

細胞の恒常性を維持するためには、天然変性領域を含むタンパク質の濃度が厳密に制御されていなければならない。しかし、こういったタンパク質は膜を持たない凝集体に局在する傾向があり、その集団的制御機構の解明は、膜に囲まれた細胞小器官が関わる経路に比べると進んでいない。本論文で我々は、RNA–タンパク質凝集物中のタンパク質濃度の上昇がそのタンパク質自体のmRNAの隔離を引き起こす、という新たな恒常性維持機構「インタースタシス(interstasis)」について報告する。インタースタシスでのmRNA捕捉の選択性は、遺伝暗号の構造と保存されているコドンの偏りに依存して行われる。これらが確実な手掛かりになるのは、RNAの同じような多価領域が複雑性の低い同じようなドメインをコードしているからである。例えば、アルギニンの多い電荷混合領域(R-MCD)は、mRNA中のプリンの多い反復配列によってコードされている傾向がある。R-MCD含有タンパク質が蓄積すると、核スペックルの接着性が強まり、それがプリンの多い多価mRNAの選択的捕捉を引き起こす。こうした多価領域には、TRA2タンパク質をはじめとする特異的なRNA結合タンパク質が結合し、インタースタシスに応じて核スペックルを再配置して選択的なmRNA捕捉を促進する。CLKが仲介するTRA2タンパク質のリン酸化は核スペックルへの局在化に対抗するので、インタースタシスの調節につながる。このように、核スペックルの凝集特性はインタースタシスのセンサーとして働き、用量感受性の高い遺伝子のmRNA(凝集しやすい核タンパク質をコードするものが多い)を同時に調節する集団的な負のフィードバックループを作っている。

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