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免疫学:PD-L2–RGMbの標的化はマイクロバイオームに関連した免疫療法抵抗性を克服する

Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-06026-3

腸内微生物相は免疫チェックポイント阻害剤療法中の抗腫瘍免疫の重要な調節因子である。免疫チェックポイント阻害剤に対する抗腫瘍応答を増強させる複数の細菌がマウスで見つかっている。また、黒色腫患者では、抗PD-1療法へのレスポンダー(奏効者)由来の糞便試料の移植によって、この治療への効果が改善し得ることが分かっている。しかし、糞便移植による効果の増強はさまざまであり、腸内細菌が抗腫瘍免疫をどのように増強するかは明らかにされていない。今回我々は、腸マイクロバイオームがPD-L2とその結合パートナーであるRGMb(repulsive guidance molecule b)の発現を低下させ、抗腫瘍免疫を増強させることを示し、この効果を誘導する細菌種を特定する。PD-L1とPD-L2は、PD-1を結合パートナーとして共有するが、PD-L2はRGMbにも結合できる。PD-L2とRGMbの相互作用を阻害すると、PD-1経路阻害剤に対するマイクロバイオーム依存的な抵抗性を克服できることが明らかになった。抗体によるPD-L2–RGMb経路の阻害や、T細胞でのRGMbの条件的欠失を、抗PD-1抗体あるいは抗PD-L1抗体と組み合わせると、抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体の単独投与に対して応答しない複数のマウス腫瘍モデル(無菌マウスや抗生物質を投与したマウス、さらにノンレスポンダー〔非奏効者〕由来の糞便試料で細菌を定着させたマウス)において抗腫瘍応答が増強された。これらの研究によって、PD-L2–RGMb経路の抑制は、腸内微生物相がPD-1チェックポイント阻害に対する応答を増強できる特異的な機構であることが分かった。またこれらの結果は、PD-1がん免疫療法に応答しない患者の治療に有効性が期待される免疫学的な戦略を明らかにしている。

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