免疫学:クラスリン結合性AP-1はSTINGシグナル伝達の終結を制御する
Nature 610, 7933 doi: 10.1038/s41586-022-05354-0
STING(stimulator of interferon genes)は、DNA感知時にサイクリックGMP-AMPシンターゼの下流で機能したり、細菌由来のサイクリックジヌクレオチドや小分子の直接的な受容体として機能したりして、感染、がん、免疫療法において免疫を活性化する。STINGの正確な調節は、バランスの取れた免疫応答を保証し、有害な自己炎症を防ぐために必須である。膜貫通タンパク質であるSTINGは、活性化後に小胞体からゴルジ体へ移動し、そこでプロテインキナーゼであるTBK1によってリン酸化されることでシグナルを伝達できるようになる。しかし、ゴルジ体でSTINGシグナル伝達を終結させる機構は明らかにされていない。今回我々は、アダプタータンパク質複合体1(AP-1)がSTING依存的な免疫活性化の終結を制御することを示す。AP-1は、リン酸化されたSTINGをクラスリン被覆輸送小胞へ選別することで、STING分解が起こるエンドリソソーム系へと輸送することが分かった。我々は、STINGの細胞質ゾル側のC末端尾部(CTT)に、TBK1依存的なCTTのリン酸化と共にAP-1のSTINGへの結合を規定する、高度に保存されたジロイシンモチーフがあることを突き止めた。リン酸化STINGと複合体を形成したAP-1のクライオ電子顕微鏡構造から、TBK1によって活性化されたSTINGの認識の増強が説明された。また我々は、AP-1を抑制すると、STINGによって誘導される免疫応答が悪化することを示す。今回の結果は、STINGの負の調節の構造的な機構を明らかにしており、免疫の一時的な活性化を可能にするためにこのシグナル伝達の開始と終結が表裏一体であることを立証している。

