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分子生物学:細胞の監視と操作のためのプログラム可能なRNA感知
Nature 610, 7933 doi: 10.1038/s41586-022-05280-1
RNAは、細胞のタイプや状態の多様性の基盤となる遺伝情報の、中心的かつ普遍的なメディエーターであり、そうした細胞の多様性が、種や寿命を問わず組織構成や生物機能を形成している。RNA塩基配列解読技術の数多くの進歩や生命科学全般におけるトランスクリプトームデータセットの大規模な蓄積にもかかわらず、RNAを用いて細胞のタイプを観察・操作する技術が不足していることが、いまだに生物学および医学におけるボトルネックとなっている。今回我々は、ADARによるRNA編集を利用して、細胞を特徴付けるRNAの検出とエフェクタータンパク質の翻訳を結び付けるプログラム可能なRNA感知技術、CellREADR(Cell access through RNA sensing by Endogenous ADAR)について報告する。CellREADRのウイルス送達により、マウスやラットの脳、およびex vivoのヒト脳組織において特定のタイプの細胞にアクセスできるようになった。さらに、CellREADRによって、行動中のマウスで特定のタイプのニューロンの記録と制御が可能になった。従ってCellREADRは、動物細胞のRNAベースの監視と編集の可能性をはっきりと示しており、この方法は特異的、多用途かつ単純で、器官系や種を超えて一般化可能であり、生物学、生物工学、プログラム可能なRNA医学に幅広く適用できる。

