Article
化学合成:不斉触媒反応における一般性のスクリーニング
Nature 610, 7933 doi: 10.1038/s41586-022-05263-2
不斉触媒反応分野における過去半世紀にわたる研究によって画期的な進歩がもたらされ、キラル構成要素、医薬品、天然物の効率的な合成が可能になった。これまで、広範な基質にわたって高い選択性を示す少数の不斉触媒反応が特定されてきた。これらの反応が、エナンチオリッチな化合物の合成方法に最も大きな影響を及ぼすものであることは、偶然ではない。我々は、不斉触媒反応における基質一般性がまれであるのは、基質一般性の実現が本質的に困難なためだけでなく、キラル触媒が特定され最適化される方法にもよると考えた。発見に向けた典型的な活動では、単一のモデル基質に頼るため、化学空間の狭い領域において高い性能を求めて選定がなされる。今回我々は、最初から不斉触媒反応において複数のモデル基質を用い、エナンチオ選択性と一般性の両方を同時に求めて選定する実用的な手法を提示する。プールされた試料を用いた超臨界流体クロマトグラフィー–質量分析による高スループットキラル分析によって、複数基質のスクリーニングが実現された。今回の複数基質スクリーニング法をピクテ–スペングラー反応に適用すると、この重要な変換の一般的なエナンチオ選択的触媒反応への有望かつ予想外の手掛かりが明らかになり、スクリーニングセット以外の基質の組み合わせでも高いエナンチオ選択性が示された。

