Article
材料化学:自己適応コロイド結晶における形状記憶
Nature 610, 7933 doi: 10.1038/s41586-022-05232-9
機械的に応答する再構成可能な結晶材料は、多くのセンシング機器、ソフトロボットデバイス、エネルギー変換装置、エネルギー貯蔵装置における中心的な構成要素である。結晶材料は、さまざまな刺激の下で容易に変形することができ、回復可能な変形の程度は、結合の種類に大きく依存する。実際、単純な静電相互作用によって一体に保たれた構造の場合、許容される変形は最小限である。これに対し、分子結合によって一体に保たれた構造は、原理的には、はるかに大きな変形を維持でき、より容易に元の形状に回復できる。今回我々は、DNAを用いて作られた、ファセットがきれいなコロイド結晶の変形特性を調べた。この結晶は、サイズが大きく(100 μmを超える)、体心立方(bcc)構造で、粘弾性体積分率が高い(97%を超える)。従って、そうした結晶は、脱水収縮に伴う圧縮効果によって、しわや折れを有する不規則な形状を形成できる。注目すべきことに、変形した結晶は、再度含水させると、数秒以内に初期の良好な形状の結晶形態とナノスケールの内部秩序をとるようになる。大半の結晶では、こうした圧縮や変形は、永続的で不可逆的な損傷につながると思われる。このコロイド結晶の大幅な構造変化は、著しい可逆的光学特性変化を伴う。例えば、元の結晶と構造回復した結晶は、紫外–可視領域においてほぼ完全な(98%を超える)広帯域吸収を示すのに対し、変形した結晶は、主に屈折率と不均一性の増大に起因して、反射の著しい増大(特定波長では入射光の50%まで)を示す。

