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免疫学:ILC3は腸において微生物相特異的な制御性T細胞を選択して寛容を確立する
Nature 610, 7933 doi: 10.1038/s41586-022-05141-x
哺乳類の腸への微生物の定着は炎症性あるいは寛容誘導性のT細胞応答を引き起こすが、これらの異なる結果を制御する機構はほとんど解明されておらず、蓄積されてきている証拠からは、腸の微生物相に対する異常な免疫と、感染症、炎症性疾患、悪性疾患との間には因果関係があることが示されている。今回我々は、腸の微生物相に応答し、転写因子RORγtを発現する炎症性および寛容誘導性のT細胞の運命を制御する重要な経路を明らかにする。マウスにおいて腸の所属リンパ節の全てのRORγt+免疫細胞のプロファイリングを単一細胞分解能で行うことで、制御性T(Treg)細胞とリンパ組織誘導細胞様3型自然リンパ球(ILC3)の存在が優勢であり、これらの細胞は濾胞間領域に共局在していることが明らかになった。これらのILC3は、胸腺外AIRE発現細胞とは異なっていて、主要組織適合遺伝子複合体クラスIIを豊富に発現し、微生物相特異的なRORγt+ Treg細胞の促進と、炎症性17型ヘルパーT細胞としての増殖を防ぐのに必要かつ十分である。これは、ILC3による抗原提示、αVインテグリン、インターロイキン2への競合を介して起こる。さらに、単一細胞解析から、炎症性腸疾患ではILC3とRORγt+ Treg細胞の間の相互作用が損なわれていることが示唆された。我々の結果は、ILC3が抗原特異的RORγt+ Treg細胞を選択し、17型ヘルパーT細胞を選択しないことで、微生物相に対する免疫寛容と腸の健康を確立する枠組みを明らかにしている。

