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原子核物理学:魔法数82で急激に変化することが明らかになったインジウム同位体の核磁気モーメント
Nature 607, 7918 doi: 10.1038/s41586-022-04818-7
原子核は、密度が高くて強く相関する性質があるにもかかわらず、核子の数が特定の「魔法」数に近いと、その特性は対をなさない単一の核子によって支配されることが、実験的証拠や理論的証拠から示唆されている。中性子過剰核におけるこの挙動の程度とその発展の微視的理解は、依然として原子核物理学の未解決の問題である。インジウム同位体はこの現象の典型的な例と考えられており、その電磁気的特性の不変性は、複雑な多核子系の固有性が対をなさない単一の陽子孔から生じることを示している。今回我々は、この単純な一粒子描像の妥当性を調べるために行った、精密レーザー分光測定の結果を示す。N = 82で磁気双極子モーメントが急激に変化するという観測結果は、中性子魔法数N = 82では確かに一粒子描像が支配的だが、これまで研究されてきた同位体では支配的でないことを示している。こうした観測結果の微視的な起源を調べるために、我々の研究では、ab initio原子価空間媒質内相似繰り込み群と密度汎関数理論(DFT)という2つの補完的な原子核多体計算法の進展を組み合わせた取り組みを行った。その結果、核の磁気特性を正しく記述するには、これまであまり絞り込まれていなかった、時間対称性を破る平均場の算入が不可欠であることが見いだされた。これらの実験的および理論的な知見は、一見単純な一粒子現象が、陽子と中性子の複雑な相互作用から自然に現れる仕組みを理解するカギとなる。

