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神経科学:視床回路の標的化はPDマウスで運動障害と気分障害を救済する

Nature 607, 7918 doi: 10.1038/s41586-022-04806-x

運動緩徐、振戦、硬直はパーキンソン病(PD)患者で見られる特徴的な運動障害だが、患者は運動学習障害や、うつなどの非運動症状も経験する。これらのさまざまなPD症状の基盤となる神経回路については、よく分かっていない。現在の治療法はPDのロコモーション(歩行)障害には有効だが、運動学習障害や非運動症状を標的とする治療戦略はまだない。今回我々は、視床の束傍核(PF)の個別の亜集団が、尾状核被殻(CPu)、視床下核(STN)、側坐核(NAc)に投射していることを見いだした。PF→CPu回路とPF→STN回路は、それぞれロコモーションと運動学習に重要なのに対して、PF→NAc回路の阻害はうつ様状態を誘導した。CPuに投射するPFニューロンを化学遺伝学的に操作すると、ロコモーションの長期的な回復が起きたのに対し、PF→STNシナプスでの光遺伝学的な長期増強(LTP)では、PDの急性マウスモデルにおいて運動学習行動が回復した。また、NAcに投射するPFニューロンを活性化すると、うつ様の表現型が救済された。さらに我々は、ニコチン性アセチルコリン受容体が、PF回路を調節してさまざまなPD表現型を救済できることを明らかにした。このように、PF視床回路の標的化は、PDの運動障害と非運動障害を治療するための効果的な戦略となる可能性がある。

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