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免疫療法:合成IL-9受容体を用いた養子免疫療法の増強
Nature 607, 7918 doi: 10.1038/s41586-022-04801-2
合成受容体シグナル伝達は、養子移入したT細胞に新しい機能を持たせることで、前処置としての化学療法の必要性など、固形腫瘍の治療における大きな障壁を克服できる可能性がある。今回我々は、共通γ鎖(γc)サイトカインであるIL-4、IL-7、IL-9、IL-21の各受容体の細胞内ドメイン(ICD)に、直交性IL-2受容体の細胞外ドメイン(ECD)を融合させたキメラ受容体を設計し、この直交性IL-2サイトカインが対応する各γcサイトカインシグナルを誘導するようにした。これらのうち、キメラ直交性IL-2Rβ-ECD–IL-9R-ICD(o9R)を介してシグナルを伝達するT細胞は、STAT1、STAT3、STAT5を同時に活性化する点で他とは異なり、幹細胞様記憶T細胞やエフェクターT細胞の特徴を持つようになる。o9R T細胞は、o2R T細胞と比較すると、黒色腫と膵臓がんという2つの難治性固形腫瘍同系マウスモデルで優れた抗腫瘍効果を示し、また、前処置としてリンパ球枯渇を行わない場合でも効果を示した。従って、キメラ直交性サイトカイン受容体を用いたIL-9Rシグナル伝達の転用により、T細胞は新しい機能を獲得し、これにより治療が困難な固形腫瘍に対する抗腫瘍活性の改善が引き起こされる。

